From:稲嶺保
5月、体力テストの実施期間。
50m走を行った。
「今日は、50m走の記録測定をします。」
「少しでもタイムを縮めたい。」
普通の考えである。
だからこそ、「思い切り走る」と担任は思ってしまう。
しかし、実際には、
得意な子は、確かに「けん命」に走っている。
苦手な子(自分は足が遅いと思っている)は、「流し」てしまうのである。
もしかすると、「流し」と見えるのは担任だけで、本人は本気なのかもしれない。
そこで、どんな「激」をとばしても、変わらない。
そんな時、「8秒間走」の実践がおすすめである。
教師の役割は、
①スタートの合図「ピッ!」
②8秒後の合図「ピッ!」
の2つだけである。
運動場にコースをつくる。(リレーゾーンを使うと便利)
6コースほどあると便利。
ゴールラインからメジャーを伸ばす。
ゴールが「0m」である。
子どもたちは自分でスタート位置を選ぶ。
基準は、「8秒間でゴールできる位置」である。
初めのうちはとまどうが徐々に慣れてくる。
わたくしは2人1組ですすめた。
A (走る人)とB(8秒以内に入ったか見る人)である。
進めていくとそれぞれが自分のギリギリの位置を見つける。
そうするとゴール前は「混戦」である。
足の速い、遅いは関係ない。
8秒以内に入れるかどうかが基準なのである。
すると、自然に「流し」ていた走りが見えなくなった。
また、隣のクラスで実践した先生から、
「保先生、50m走のタイムが伸びました。」
という報告を受けた。
そんな「8秒間走」の実践、ぜひ、追試してみてください。
PS このような体育の実践をいくつ持っているかが大切である。
もちろん、本で学ぶことも大切である。
しかし、一番の学びは「ライブ」である。
実際に「目にする」、「体感する」ことで見えてくる教育技術がいくつもある。
そんな場を逃さぬように!
ー稲嶺保
稲嶺保
沖縄県公立小学校教諭 6年生担任 TOSS″必然"代表
「充実感を得るために学ぶ」ことを実践するため、授業の腕を上げる修行を続ける。同志社大学卒。明星大学通信教育にて小学校教諭免許取得。編著『ライフスキル よい生活習慣づくりのすべて』『私たちの授業でオリンピック選手を目指そう!体育訓練』(以上明治図書) 『「算数」授業の新法則 6年生』(学芸みらい社)
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