From:太田輝昭
先日、初任研の研究授業を見た。
とても知的でクールな先生である。
生徒からも慕われ、人気のある先生である。
教育熱心でもある。
授業も熱心に「生徒に理解させようと説明」されていた、、、、
数名はまじめな生徒で、教師の話を聞いている。
先生の問いかけに反応していた、、、、
しかし、何名かはボーとしていた。
また、何名かは寝ていた、、、、。
このような光景はどこの教室でもあることだ。
教師は熱心だが、生徒はイマイチ、、、、
教師の苦労が多いが、効果が、、、、小さい、、、、という授業。
どごが原因か。
どうすればいいか。
以前、次のことを書いた。
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次の指示のどこが問題か。
「教科書の56ページ、3番をやります。終わったら、57ページの2番をやりその後、ノート整理をします」
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そうなんだ。
指示が長いんだ。
長いといってもこの指示、20秒くらいだろう。
20秒でも長い。
どうするか。
指示1 教科書を出します。
出しているか確認。
指示2 56ページをあけます。
開けたか確認。
指示3 3番をやります。
・・・・・・
のように、上の指示を細かく、短くする。
一つの指示が3秒ほどになる。
このように、指示の言葉を削り、「簡明」にしていく。
特に、特別支援の子には、長い説明が頭に入らない。
ワーキングメモリ(作業記憶)といって、一つの作業指示しか頭に入らない。
つまり、上の指示の
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「教科書の56ページ、3番をやります。終わったら、57ページの2番をやりその後、ノート整理をします」
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「教科書」しか頭に入らない。
頭に入らないから、
「先生、何ページ?」と聞き返してくる。
教師は、「今、言ったでしょ」となる、、、
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教師の言葉を削り、短くすること、
長い説明をしない。
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というのは、教師の授業行為として極めて重要なこと。
これを「簡明の原則」と呼ぶ。
「シンプル is ベスト」である。
ー太田輝昭
P.S.
初任研の先生の授業。
説明が長い。
これが原因。
短く、発問・指示をテンポよく生徒を指名していく、、
動かしていく。
このようにアドバイスした。
P.P.S.
グーグルも画面に一つの検索エンジンしかない。
スマートホン・パソコンのアップル社のコンセプト。
①美しくデザイン
②簡単に使える
③親しみやすい
の2つ目に「簡単」がある。
「簡単」なことは、多くの人に受け入れられる。
「簡単」「シンプル」はとても重要な原則。
P.P.P.S.
よくパワーポイントでごちゃごちゃ細かい字でたくさんの情報を書いている授業を見かける、、、、
私は、東京での体育セミナーで、「体を温めることで健康を保つ」という模擬授業をした。
パワーポイントの最初の画面はこれ。
これも「簡明の原則」。
太田輝昭
沖縄県立公立高等学校 保健体育科教諭 TOSS沖縄代表
「知的な学びは楽しいもの」のモットーのもと、授業の腕を上げるために日々、研鑽している。TOSS授業技量検定三段。剣道教士七段。琉球古典音楽野村流音楽協会新人賞。京都教育大卒。琉球大学院教育学研究科教育専攻保健体育専修卒。琉球大学医学部保健学科博士後期課程在学中。単著『「平泳ぎ」「クロール」で25m泳げる10のステップ』(明治図書出版)編著『高校生が夢中になる知的な授業』(明治図書出版)、共著『沖縄から平和学習へのメッセージ』他多数 H25文部科学省委託事業「教員の資質能力向上に係る先導的取り組み支援授業」受託。