From:太田輝昭
自宅から、、、
「黄金の3日間」セミナーに出られた方は分かると思う。
セミナーの中で、「出会いで、何が何でもほめる」ということを、、、。
教室にはいろんな子どもが存在する。
真面目な子、しゃべらない子、腕力の強い子、成績優秀な子、
家庭が貧しい子、片親の子、私語が多い子、特別支援を要する子、、、
などなど、、、
さまざまな子が存在してこそ、学校であり、教室である。
すべての子を受け入れ、
「ほめる所がない~」と思っても、探してでもほめる。
4月7日から1年が始まる。
この「出会い」が1年で極めて重要な時期である。
教室の中に、「気になる子」が存在する。
その子が学級のキーパーソンになる。
その「気になる子」のために春休みに何を準備するかである。
私の尊敬する教師の中の一人に、熊本の田上善浩先生(中学 英語)がいる。
田上先生の実践を紹介する。
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「気になる子」は、同級生にカッターをもって、「殺してやる」と追いかける、、、
先生さえも包丁を持って追いかける、、、
そんな子だった。
田上先生は、その「気になる子」はバスケットボール部に入っている情報を得る。
その子のためだけに、「学級開き」にバスケットボールを取り入れた話をした。
その語り。
「私が大学に通っていた時の同級生から聞いた話です。
彼の友だちで、大学で3人ぐらいしか友だちがいない人がいたそうです。
大学も休みがちで、あまり目立たない人だったそうです。
そんな彼が、マンガのコンクールで入賞したんです。
彼は、大学を中退して東京に行きました。
その後、彼は名前を変えて漫画家としてデビューしていたんです。
彼のデビュー作は、人気が出ず、途中で連載が打ち切られました。
それでも彼はめげませんでした。
彼は、本当に書きたいネタをまだ書いていなかったんです。
彼が本当に書きたいネタとは、彼が大好きなスポーツのネタでした。
しかし、彼が好きなそのスポーツは、マンガの世界ではマイナーなスポーツでした。
担当の方から、やめるように説得されたそうです。
しかし、彼はあきらめませんでした。
彼は、大好きなそのスポーツのネタでマンガを書きました。
彼のスポーツは何だと思いますか?
(テニス、バスケ、バレーなど出る)
バスケです。彼は大好きなバスケのマンガを書きました。
そして、そのマンガは大ヒットしたのです。
そのマンガのタイトルは、『スラムダンク』といいます。
(みんな驚く)
(ちょっと間をおいて笑顔で)
友達が少なくったって、超一流のマンガ家になれるんですね。
1回目で大失敗しても、『スラムダンク』が描けるのですね。
この中にも、友達が少なかったり、勉強もわからず失敗ばかりして(自分はだめだと)と、思っている人がいるかもしれないけど、めげないでね。
どんな才能がみんなの中に眠っているか分かりませんよ。
ところで、この中でバスケットボール部の人いますか?
(数名挙手)
キミはバスケ部?ボジションは?(2人目あたりでO君に話かける)
キミはうまそうだね~。スラムダンク読んだことある?
あれおもしろいよね。ぼくはあれを読む前は両手でシュート打ってたのに、あれを読み終わったら片手でシュート打つようになってたんだよ。
ちょっと見て、ぼくのシュートフォーム。
(ちょっと大げさにやってみせる)
どう?
(O君も含めた皆が笑っている)
やっぱ、だめかなぁ~。今度、教えてね!」
これが「つかみの語り」だった、、、。
そして、ほめる場面が来た、、、
彼は、「ぞうきん」を持ってきた。
「すごいね」「しっかりしているね」「きれいなぞうきんだね」
いろいろと言葉をかけた。
ぞうきんを持ってきたのは、すごいことでも、彼がしっかりしていたのでもない。
使っていないぞうきんが新しいのもあたりまえ。
それでもとにかくほめるのである。
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「気になる子」の情報をできるだけ集める。
そして、「気になる子」と「つながる」ために、「出会いでどのようにほめるのか」の作戦を立てる。
このことが極めて重要。
他にも大切なことはあるが、セミナー参加者は資料を繰り返し、繰り返し読み直すとよい。
よい出発ができることを祈念する。
ーおおた てるあき