From:太田輝昭
人間関係のトラブルはたびたび起こる、、、、
月に1回?2か月に1回?いや、月に2~3回起こることもある、、、
(小学校低学年なら、毎日かもしれない、、、)
5年前、担任をしていたときだった、、、、
A子がクラスメイトのB子をいじめていることが分かった。
数名のグループを作り、教師を巻き込みながら自分の正当性を主張し、「B子がダメだ」と、、、A子は主張する。
教師をも味方につけようと、、、インシツだった。
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トラブルは自分の成長のためにある
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トラブルを乗り越えて、一回りも二回りも人は成長する。
B子にも「非」があるかもしれないが、A子にも「非」がある。
A子もB子も今回のことでお互いが成長できるチャンスだった。
(「成長」ととらえられれば、90%は終わる。)
トラブルを通して、理解できない相手を理解する。
社会はいろんな人がいて成り立っている。
自分と合わない人もいるだろう。
なかなか理解できない人もいるだろう。
お互いを理解するために、「本音をぶつけること」はいいこと。
ブツカッテ分かるものもある。
また、ブツカッテ「深い仲になる」ということもある。
表面的な付き合いや、力関係のつきあいはお互い、幸せ感を感じない。
学級の仲をどうつくるのか。
3学期には、教師の手がなくても「自主的な集団」に育っている、、、それには、、、、、どうしたらいいのか。
「イヌとサルを仲良くする方法」をご存知だろうか。
40年ほど前、ある社会科学者が実験を行った。
夏休みのサマーキャンプで、子ども達のグループにわざと「悪意」を作った。
それぞれのグループに「敵対するネーミング」をつけ、綱引き、運動競技で競争をさせた。
すぐにこのグループ間は、不和になった。
更にこの不和のグループに共同作業をさせた。
しかし、「食べ物の奪い合い」が始まり、「怒号」「殴り合い」になった。
この不和のグループを仲良くするために、ある方法を行うと一気に仲が良くなった。
その方法とは、、、、
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「お互いの利益になる」状況
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を作った。
町に食べ物を買いにいくために、歩いていったり、キャンプの水道を止めてしまったり、「共通の危機」を作りだして、「協力して行動する必要がある」ということを学ばせた。
そうなんです。
集団を仲良くさせるには、
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共通の目標をつくる
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ということ。
「全員が泳げるようになったら、みんなでパーティーをしよう」とか、、
クラスの子どもが「心から楽しめるイベント」を企画する。
そこで、力を発揮するのか、
「○○係り」。
「レクレーション係」とか、「パーティー係」とか、、、「イベント係」、、
黄金の3日間で作った係。
その係に企画させて、担任に「企画書」を提出させる。
もちろん企画書のフォーマットを指導して、、、
1 タイトル
2 目的
3 日時
4 場所
5 係分担(全員を何か役割を与える)
6 プログラム(例)
①はじめの言葉
②主役(子ども)の一言
③一発芸(やりたい人)
④差し入れ
⑤ご馳走を食べる
⑥休憩
⑦ゲーム
⑧乾杯
⑨終わりの言葉
⑩担任の先生からパーティーについて一言
7 かざり
8 ゲームの内容
9 ご馳走の準備(誰が、何を)
10 司会
11 机の位置
12 はじめ、終わりの言葉担当
「楽しいこと」は、教科の学力と違う力を育てる。
授業は「まじめさ」「ていねいさ」「持続力」が必要だが、、、、
イベントは、「発想力」「実行力」「瞬発力」が必要。
イベントは、「祭り」。
「祭り」は楽しいこと。
イベントは、「企画する力」と「協力するためのコミュニケーション力」を鍛える。
クラスメイトがブツカッテ、議論をして取り組む。
学級のよい雰囲気作りになる。
さて、2学期も後半に入った。
2学期に「学級の共通の目標」を作って、「楽しいこと」をやってみては、、、
ー太田輝昭
P.P.S.
太田輝昭
沖縄県立公立高等学校 保健体育科教諭 TOSS沖縄代表
「知的な学びは楽しいもの」のモットーのもと、授業の腕を上げるために日々、研鑽している。TOSS授業技量検定三段。剣道教士七段。琉球古典音楽野村流音楽協会新人賞。京都教育大卒。琉球大学院教育学研究科教育専攻保健体育専修卒。琉球大学医学部保健学科博士後期課程在学中。単著『「平泳ぎ」「クロール」で25m泳げる10のステップ』(明治
図書出版)編著『高校生が夢中になる知的な授業』(明治図書出版)、共著『沖縄から平和学習へのメッセージ』他多数
H25文部科学省委託事業「教員の資質能力向上に係る先導的取り組み支援授業」受託。