From:太田輝昭
自宅の書斎より、、、、、
昨日、五色百人一首沖縄県大会を開催した。
幼稚園生~6年生 保護者含めて122名の参加だった。
年1回、チャレラン(子ども教育の裏文化)と五色百人一首県大会を合同で実施している。
地元の企業の協賛金で、すべて教師のボランティアで実施されている。
五色百人一首がなぜ、いいのか。
『学級経営の急所』で向山洋一氏は書籍の中で次のように述べている。
※「学級経営の急所」があるなんて、初めての人も多いと思うが、ポイントを外した学級経営では上手くいかない。
一読をおススメする。
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1 従来の百人一首の欠点
百人一首を教えてみようかーと思った方はかなりいると思います。
私のクラスでは、百人一首が「クラスづくり」の重要なポイントになっています。
百人一首は「ことば」を教える上でも基礎になっていくものですし、百人一首のゲームは、古来日本に伝わってきた伝統的イベントです。
何百年もの長い間生きぬいてきたゲームはそれほど多くはありません。
将棋(チェス)、囲碁と匹敵する伝統をもっています。
何百年にもわたって生きぬいてきたとは、「遊び」の古典です。多くの人々に支えられてきました。多くの人々に指示された良さがあったためです。
百人一首は、今後も何百年、何千年と伝えられていくと思います。
そうした強靭さを持った日本の文化です。
・・・・(中 略)・・・
2 細分化の原則の応用
五色百人一首は、百枚の札を五つの色に分けます。
カードが色つきになっています。
例えばブルーの札は二十枚あります。
最初は「一つの色」だけで百人一首をやります。
百枚ではなく、二十枚でいいのです。
百枚だから大変なので、二十枚ならずすぐにできます。
考えてみれば、簡単なことです。
しかし、今まで、誰一人として考えませんでした。
なまじ数百年の歴史があるからこそ、いじれなかったのです。
でも、スイミングスクールでは、練習用ステップを細分化してます。
「正式百人一首」のほかに「練習用百人一首」があって当然なのです。
鉄棒の練習に似ています。
できない子に、「一気にやれ」というから大変なので、
「台付鉄棒」のように、いくつかのステップを作ってやればいいのです。
そうです。これは「細分化の原則」の応用なのです。
「百人一首」に、「細分化の原則」をあてはめたのです。
こうすることで「百枚を覚えなければいけない」という圧力から、子どもは解放されました。
当面は、一種類、二十枚だけを覚えればいいのです。
・・・・・(中 略)・・・・
7 五色百人一首はドラマを生む
更に、五色百人一首は、さまざまなドラマを生む。
新潟の養護学校の女の先生が、脳性マヒの子に教えたところ、熱中したということだった。
その子は、「ゲーム」で、初めて勝利の経験をしたのだという。
幼稚園でも、五色百人一首を喜ばれたという。
中学校では「男の子と女の子」が、初めて、仲良く熱中してゲームに取り組んだという。
五色百人一首を覚えることだけでも、すばらしいことなので、更に、ドラマを生むのである。
家に帰ってから、兄弟、家庭で百人一首をやるようになったという便りも多い。
保護者会で、親子対抗の百人一首をやったとの報告もある。
百人一首は、日本の伝統文化である。
千年もの長い長い年月を、多くの人々の手によって伝わってきた文化である。
千年もの歴史に耐えた文化なのである。
千年もの歴史を持つ文化を子どもに伝えるのは、教師の大切な役割といってもいいだろう。
すぐにできて、すき間の時間でできて、親や子どもに感謝されて、しかも数々のドラマを生むような教材は、そんなにはない。
いや、ほとんどないといってもいいだろう。
・・・・・(以下 略)・・・・
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よい学級は、「クラスの仲が良い」ということだ。
それも「男女の仲が良い」ということだ。
「仲が良いクラス」というのは、「教師の手立て」なしには実現しない。
放っておいては、クラスは「弱肉強食」を生む。
腕力の強い者が牛耳る。
強い者に何も言えない。
いじめがはびこる。
そうならないように、、、、
「仲がいいクラス」にするために、
教師は、様々な手を打っていくのだ。
その一つが、「五色百人一首」だ。
教師は、さまざまな「ネタ」をもっておくことが重要だ。
ーおおた てるあき
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太田輝昭
沖縄県立公立高等学校 保健体育科教諭 TOSS沖縄代表
「知的な学びは楽しいもの」のモットーのもと、授業の腕を上げるために日々、研鑽している。TOSS授業技量検定四段。剣道教士七段。琉球古典音楽野村流音楽協会新人賞。京都教育大卒。琉球大学院教育学研究科教育専攻保健体育専修卒。琉球大学医学部保健学科博士後期課程在学中。単著『「平泳ぎ」「クロール」で25m泳げる10のステップ』(明治
図書出版)編著『高校生が夢中になる知的な授業』(明治図書出版)、共著『沖縄から平和学習へのメッセージ』他多数
H25文部科学省委託事業「教員の資質能力向上に係る先導的取り組み支援授業」受託。