From:太田輝昭
「学級のトラブル」はたびたび起こる。
その訴えに対して、法律的にはどうなのか、中井弁護士がさまざまなトラブルを解決した。
実際にあった話。
【1】
昨年担任していた3年生の学級が荒れ2学期で担任交代となりました。
今年、専科をしています。
校長から不適格教員研修に行くように話を進められています。
私の年齢ではそのまま退職させられると考え悩んでいます。
【2】
クラスの子の携帯電話がなくなりました。
ゲームなどもできるので誰かが取ったのかもしれません。
学校では持ってきてはいけないルールを明確にしていませんでした。
学校の管理責任だ弁償しろと言われました。
どうすればいいでしょうか。
【3】
サークル活動で出会った5年生の自閉症の子どもの父親。
新しく赴任してきた校長がこれまでと違いを聞いてくれない。
診断書を見てもらえないしこれまでのような子どもに合った対応もしてもらえない。
学校でケガもしてきたとの訴えを聞きました。
どのようにサポートできるでしょうか。
【4】
子どもが学校の前に貼りだしてある選挙のポスターに画びょうを挿したり、落書きをしたりしました。
法的に大きな問題になるとの話を聞いたことがあります。
反省を促したいのですが、どうしたらいいでしょうか。
【1の解決】
絶対に、自分から退職すると言ってはいけない。
授業内容等を記録しておくようにアドバイスをもらいました。
教育委員会が見に来る訪問授業をサークルで何度も検討し、授業力向上に努めたうえで、当日も記録をとりました。
その後の意見書についてもアドバイスをもらい、結果、今年は研修に行くという認定手続きが撤回になり、ほっとしました。
現在もサークルで授業力向上に努めています。
【2の解決】
担任の先生が個人で弁償するということはありえませんが、学校で物がなくなっていることから学校に管理上での不注意があれば学校責任が生じることがあります。
しかし多数の人が出入りする教室に無断で物を以てきていたのであれば児童・保護者側にも相当の責任が生じますをアドバイスをうけました。
保護者にこの説明を伝えたところ、保護者に理解してもらえました。
【3の解決】
中井弁護士から①転向する ②校長に理解を求めていく③校長に対して学校でケガをしたことに対する損害賠償請求を行うことなどできます。
ただ事実はよく確認しておいて記録できれば記録しておくようにアドバイスを受けました。
事実を確認すると学校もよく対応されていることも分かったことから、父親には法的知識として選択肢が複数あることを伝えて、校長に理解をもとめるようにサポートしていきました。
選択肢があるということが分かり、感情的なこじれが起きずに保護者と学校との連携が壊れずに済みました。
【4の解決】
物を傷つける行為は器物損壊罪という犯罪になります。
特に選挙ポスターであれば、公職選挙法違反の選挙妨害になり、警察の捜査も一層厳しくなると教えてもらいました。
たとえ、子どもがやったことでも、大変大きな問題になるということを子ども達に話をすることができました。
法律の専門家をもっておくことは我が身を保護するうえで大切なこと。
ー太田輝昭
P.S.
私は、今日まで夏季休暇。
勤務校は9月1日から2学期が始まる。
シルバーの3日間をしっかり練って、スタートさせたい。
気の緩みが様々なトラブルを招く、、、、
何事にも念のために、、、念のために、、、
太田輝昭
沖縄県立公立高等学校 保健体育科教諭 TOSS沖縄代表
「知的な学びは楽しいもの」のモットーのもと、授業の腕を上げるために日々、研鑽している。TOSS授業技量検定三段。剣道教士七段。琉球古典音楽野村流音楽協会新人賞。京都教育大卒。琉球大学院教育学研究科教育専攻保健体育専修卒。琉球大学医学部保健学科博士後期課程在学中。単著『「平泳ぎ」「クロール」で25m泳げる10のステップ』(明治
図書出版)編著『高校生が夢中になる知的な授業』(明治図書出版)、共著『沖縄から平和学習へのメッセージ』他多数
H25文部科学省委託事業「教員の資質能力向上に係る先導的取り組み支援授業」受託。