上手い授業の基準って何

From:稲嶺保

 

 以前、聞いたことがある。

「プロ(野球選手)は、
 自分の1試合に投げた球種を
 すべて覚えている。
 しかも解説ができる」
と聞いたことがある。
 
職種は違うが以前、
「情熱大陸」で
芸人の「和牛」が特集されていた。
 
舞台を終えた袖で、
「お前、あそこの間がおかしかったぞ。
(つっこみが)とんでただろう。」
「あそこは、お前の間がずれたからや。」
(文責:稲嶺)
 
そんなやり取りをしていた。
録画だったので見返したが、
よくわからない。
ただ、「間」のやりとりは、
何となくわかるような気がした。
 
プロ野球選手でも
芸人でも
「プロの上手(うわて)」
が存在する。
  
そう考えると、
教師にも
「上手(うわて)」
わかりやすくすると
「授業が上手い教師」
が存在するはずである。
どんな基準があるのだろう。
 
あなたの
「授業が上手い教師」
の基準は何ですか?
 
最近、
「板書計画」
をよく見かける。
授業と同じ板書が
指導案に掲載されている。
 
当日のゴールもそこである。
丁寧な字で書かれている。
黄色や赤の線で結ばれている。
(字のきれいじゃない私のひがみにもとれるかな)
 
ただ、それは
「字が丁寧であり」
「まとめるのが上手」
である。
 
「発問が上手」
というのもある。
「よい発問」は、子供たちを
「熱中」させる。
 
ただ、同じ発問で
発する教師で
上手くいく、行かない
がある。
 
どの部分、
土の教科でも
共通する
「授業が上手い教師」
とは、どんな教師なのか。
 
何となく「感覚」で話してしまう。
明確な基準が必要である。
 
私が学んでいるTOSSでその基準としているのが
「TOSS授業技量検定」
である。
 
AからFの表に分かれている。
その中から「D表」の基準を紹介する。
 
1 授業の始まり(15秒)のつかみ
2 子供への目線
3 あたたかな表情、対応
4 明確な発問、指示
5 心地よいリズム
 
各項目が10点で満点が50点である。
もう少し詳しくする。
「2 子供への目線」
これだけでは、難しい。
「目線」のどこを見るのか。
さらに、細かく4つの項目が示されている。
 
①教室全体に目線を配り、一人ひとりに目をあわせている。
 
一人ひとりと「目をあわせている」である。
一人ひとりが「先生と目が合った」と
思っている状態である。
そのためには、「目線」を止めなければならない。
②教科書の範読の際も子役と目線を合わせようとしている。
 
範読(教師が読む)の場面は、
授業で数多くみられる。
教科書ばかり見ていては、
子どもを制御することはできない。
子どもに「見ているよ」というメッセージを
発する目線が必要である。
 
③個別対応や子役の発言の際にも全体に目を配っている。
 
子供とのやり取りでどうしても
「教師対一人」になりがちである。
それを全体に目線を向ける。
それだけでなく、教師の立ち位置も
重要になってくる。
 
④その他
 
上記以外のことである。
例えば、「目でほめる」こともできる。
目線を合わせて、瞬きすることで
「できているね」とメッセージを発することもできる。
 
そのような部分で評定をしていく。
時間は、3分から5分。
 
授業する側も緊張するが、
「見る側(点数をつける側)」も
同じである。
 
そのような場をくぐりぬけることで
力をつける。
「授業が上手い教師」
に近づくことができる。
 
何を学べばよいのか
自分で見える
「授業の基準」
である。
 
PS
上記の基準を以前、
「文科省」と「TOSS」共同で
「評価基準」
を作成している。
以下のページから見ることができる。
評価基準のほか、
全国各地(沖縄県含む)で行われた
「授業技量検定」
の映像も視聴することができる。
よければ、ご覧ください。
(私も授業させていただきました)
 
さらにPS
TOSS沖縄では、
今後、このような
「授業技量検定」
を県内で実施していく。(予定である)
その前に、
日頃の練習の場として
サークルの「模擬授業」がある。
 
たった数人の場でも
「前に立つ」ことは
緊張するものである。
ただ、
「それを通過しなければ」
力はつかない。
 
学級の子が
「なかなか発表してくれない」
という声を聞いたことがある。
そういう前に
教師がそのような場で
「発言できた」
のかが気になる。
立つことで
子供の気持ちの一端を
知ることができる。
 
サークルの問い合わせは
以下まで。
主に、土曜日に開催しています。
(担当:稲嶺)
 


~稲嶺保~

 

「サッカーのドリブルができない子」

「縄跳びができない子」

など、具体的な場面をもとに、

「どう指導したらいいのか?」

「なぜ、できないのか?」

を写真やイラストをもとにわかりやすくまとめています。

また、特別支援のスペシャリスト

小野隆行先生も「感覚統合」の面から、運動の苦手さについて書かれています。

私も今回、体育の根本正雄先生から依頼で、2ページですが、執筆させていただきました。

Amazonでも、注文可能です。

私の手元にもあります。

よければ、お読みください。

 


稲嶺保

沖縄県公立小学校教諭  6年生担任 TOSS″必然"代表

「充実感を得るために学ぶ」ことを実践するため、授業の腕を上げる修行を続ける。同志社大学卒。明星大学通信教育にて小学校教諭免許取得。編著『ライフスキル よい生活習慣づくりのすべて』『私たちの授業でオリンピック選手を目指そう!体育訓練』(以上明治図書) 『「算数」授業の新法則 6年生』(学芸みらい社)

 

 

 

 

 

 

 

 

  

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