教師の癖(職業病)

From:稲嶺保

 

朝、靴箱に靴を入れ、職員室へ。
職員室から声がする。
「やっぱり、保先生来た。」
聞くと、
「足音でわかる」
というのだ。
 
中央階段側が自学級の教室。
階段から登ってくると
「来た!」
と声がする。
「やっぱり。」
の反応。
やはり、足音でわかるそうだ。
 
あと、一人で歩くときに
指をならしている。
(指パッチンである)
何かリズムを取りながら
歩いているらしい。
これも癖である。
これは、あまり人に迷惑をかけない癖である。
 
あまりよくない癖もある。
教師の職業病かもしれない。
 
「良い行動」よりも
「悪い行動」に反応する。
気付いてしまう。
給食時間。
みんなは作業している。
当番の男子が
5時間目の漢字テスト50問の勉強をしている。
「当番です。」
と何度か促すが、長続きしない。
 
本来ならば、
周りの子。
仕事をしている子に目を向けるはずである。
しかし、
「悪い行動」
へ目が向いてしまう。
そこで、最悪のパターン。
教師の「機嫌」が悪くなる。
 
顔がこわばる。
口調もきつい。
私の場合は、
「話さなくなる」。
話すと「指導」になり、失敗するとわかっている。
しかし、
「機嫌の悪さ」は学級全体へ伝わる。
子どもたちの緊張感が伝わる。
普段とのギャップが強いほど顕著である。
 
どうにか、午後の全員遊びまでには復活。
しかし、尾を引く。
週末、それが気になる。
若い頃なら
「大丈夫だろう」
とそのまま通りすぎたかもしれない。
歳を重ねると少し柔軟になる。
学級通信に以下のように書いた。
「利他が学級で増えた」と伝えた後である。
 
 ただ、先週は少し違う部分が見えました。
 「楽」を選ぶ、「自分のことだけ」を考えることです。
 数人ですが、それが見えた時、とても嫌な気持ちになりました。
 ただ、普段から「人のを増やしてはいけない」と話している担任が
機嫌を悪くし、きちんと「利他」を意識している皆さんに嫌な思いをさせてしまいました。申し訳ありません。
 教師としての「悪い癖」です。
 「悪い行動」が目に入ってしまいます。
 「良い行動」が目に入らなくなります。
 給食の準備も、片付けも毎回のように動いてくれる人がいます。
 掃除でも、自分の掃除が終わっても、「掃除が必要な場所はないか」と探している人がいます。
 お友だちのために、放課後、遅くまで残ってイラストを描いてくれた子もいます。
 みんなみんな利他です。
 これからは、「良い行動」に目を向けるようにしていきます。
(その方が、気持ちもいいので、、、)
これが正解かどうかはわからない。
ただ、「教師の職業病」はよくない。
「悪い行動」に目を向けることも
時には必要である。
 
ただ、基本は
「教えてほめる」である。
「良い行動」は、ほめることで強化する。
まだまだ、修業中である。
道は遠い、、、

 

 
ー稲嶺保ー

 

「サッカーのドリブルができない子」

「縄跳びができない子」

など、具体的な場面をもとに、

「どう指導したらいいのか?」

「なぜ、できないのか?」

を写真やイラストをもとにわかりやすくまとめています。

また、特別支援のスペシャリスト

小野隆行先生も「感覚統合」の面から、運動の苦手さについて書かれています。

私も今回、体育の根本正雄先生から依頼で、2ページですが、執筆させていただきました。

Amazonでも、注文可能です。

私の手元にもあります。

よければ、お読みください。

 


稲嶺保

沖縄県公立小学校教諭  6年生担任 TOSS″必然"代表

「充実感を得るために学ぶ」ことを実践するため、授業の腕を上げる修行を続ける。同志社大学卒。明星大学通信教育にて小学校教諭免許取得。編著『ライフスキル よい生活習慣づくりのすべて』『私たちの授業でオリンピック選手を目指そう!体育訓練』(以上明治図書) 『「算数」授業の新法則 6年生』(学芸みらい社)