本当の教師への道~夏休み編~

From:稲嶺保

  

 

 夏休み初日。

早速、個人面談。

向山型を意識して、

定刻通り終了。

廊下の予定表には、

「時間になりましたら、お入りください。」

の案内。

 

とはいえ、

予定時間20分の半分で終了。

合間の読書1冊読み切り、

気持ちよく帰宅。

そして、湯船へ、、、

 

何を書こうか迷っている。

そこで

「夏休み」

で自PCを検索すると、

ちょうど、1年前のブログが見つかった。

 

読んで、安心した。

気持ちは今も同じである。

 

・・・・・・・・・・

 

 

「教室ツーウェイ 8月号」
を読んでいる。
その中で、
「教師の成長の道筋」
について、向山洋一氏が
次のように述べている。
 
教室という仕事を通して私達は出逢った。
「先生になりたい」と、ほのかに思ったのは遠い日のことだった。
受験勉強にあけくれた日々。
夜一人、問題集を解いたあのとき。
雪がどさりと落ちると音を聞きながら、公式を暗記したあのとき。
一人ぼっちで勉強した若き日の自分。
大学の四年間は、あっという間に過ぎた。
教師になるためにも、勉強は必要だった。
毎年毎年落ちながら、講師を続けながら、教師になりたいと熱望していたあの日々。
教師になって子供に会って、「何とすばらしいんだろう」と、夢見心地だった新任当初。
しかし、夢は短かった。
天使ごとき子供たちは、いつの間にか私語を始め、教師の言うことを聞かなくなった。
五月連休明けには、クラスは騒乱状態だった。
夢見て努力した日々は長く、天国の状態は光よりも速く去り、地獄の日々が始まった。
交通事故になって、学校をやめたらとひそかに思った日々。
「自分は、教師に向いてない」「退職しよう」、心の中で、毎日毎日悩んだ日々。
全国の仲間が、そんな日々を送ったことを、私は知っている。
それは、教師なら、誰もが通る道だからだ。
 
ドキッとした。
忘れていた記憶がよみがえってくる。
誰もが最初から
「いい教師」
ではないのである。
 
さらに、向山氏は
「教師になって、困って、やっと本当の教師への道が始まる。」
として、8つのステップを示している。
 
第一ステップは、教室が荒れ、追い詰められ、悩み抜くことである。
 
教室が荒れる時期は正直なかった。
ただ、「荒れ」はあった。
それを「力」で押さえていた
だけであった。
その限界を感じていた。
 
第二ステップは、解決方法を求めて、人に聞くことである。
しかし、満足な答えは、ほとんど返ってこない。
仕方なしに、本屋に出掛け、研究会に出掛ける
 
学校に授業に上手い教師はいた。
しかし、どうすればその教師に近づけるかわからなかった。
私の場合は、女教師だった。
国語、算数の指導はもちろん、
体育の指導でも
ダメである。
クラスの子の口から、
「〇〇先生のクラスがよかった。」
という声が聞こえた。
それから、本を買いあさった。
何か参考になるものないかと、、、
 
第三ステップは、「これこそ私が求めていたものだ」というものとの出会いである。
「そうだったのか」と、目からウロコが落ちる。
 
本で見つけたセミナーにでかけた。
福岡で行われた
「TOSS体育」
の講座である。
サッカーやマット運動、とび箱など
15種目の模擬授業を
目の当たりにした。
子役になって参加した。
つかれるけど、楽しいのである。
終わった後、満足感が残る。
これだと思った。
「TOSS]との出会いだった。
 
第四のステップは、早速、自分もやってみる。
今までと手応えが違う。
うまくいくのだ。
しかしよく見ると、「うまくいかない」ときもある。
これは何なのだろう。
「ユースウェアが違う」ことや「技術を使いこなす技能」の必要性を知る。
 
本当だった。
「とび箱を跳ばせることができた。」
「サッカーでも、特別ルールで女子が楽しく取り組んでいる。」
ただ、本からの学びを実践しても、
上手くいかないことがある。
「算数テストの学級平均90点以上」
と聞くが、全く達成できなかった。
 
第五のステップは「こわごわと」「どきどきしながら」サークルへ出てみる。
サークルに出るのは、大変なことだ。
しかし、それこそ、「教師」への「次の一歩」なのである。
 
「二足の草鞋(わらじ)」
は難しいと考え、
それまで所属していたクラブチームを終え、
サークルに行った。
小さな部屋に8人程が集まる。
しかし、そこでの情報が
すごい。これまで、
「TOSSデー」や書籍で
得た情報ではない。
生の情報である。
 
第六は、サークルで「こんな世界があったのか」という驚きの体験である。
何もかもが違う世界がそこにあった。
しかし、それは、遠い昔から自分が求めていたものだった。
 
「何か資料を持ってきて。」
という言葉に学級で発行していた
「学級通信」
を持っていった。
人数分印刷して配布。
すると、サークル代表が
チラッと見ただけで
一言、
「読みたくない。」
終了である。
 
「?」である。
前の言葉が省略されていた。
「文字ばっかりで読みたくない。」
である。
一文さえも読ませてもらえなかった。
だいぶ、へこんだ。
ただ、懲りずによく月もチャレンジ。
数枚を持っていくと、
ページをめくってくれた。
ただ、そこまでである。
それでも、うれしかった。
 
その翌月も、その翌月も
学級通信を持参した。
そして、
「だいぶ、よくなった。」
と声をかけてもらえた。
それだけではない。
学級の保護者からも
「学級通信の話題」
が聞こえるようになったのだ。
 
第七は、そこに自分の生きる道を決める。
しかし、日常の生活に追われることが多い。
そんな中で、サークルを欠席しない人のみが「次の一歩」へ進む
 
サークルは、土曜日だった。
前日の飲み会は酒を控えた。
家族の予定は、日曜日にした。
学校行事が重ならない限り、
毎月、出席した。
 
その中で、向山氏が
来沖されることが決まった。
セミナーである。
セミナーには参加資格があり、
「技量検定の段級持ち」
である。
どうしても向山氏に会いたい!
ということで、
「技量検定」
に挑戦した。
検定の前月には、
「教育課程の授業(体育)」
を行ったばかり。
参観者が120名程集まったが、
緊張しなかった。
(子どもに助けれらたのだが)
検定の日。
参加者(子役)は8名。
国語「しりとり言葉」
の授業。
音読をさせる。
一文交代。
かぶせ読み。
一斉読み。
時間にして、3分弱。
「35級」
をいただいた。
コメントは何を言われたか
覚えていない。
ただ、生まれて初めて
「手汗」
が止まらなかった。
それぐらいの緊張感の中での
授業だった。
 
第八は、「模擬授業」を何回も挑戦して、技量検定を受け続けることである。
いつしか、「先生の授業は分かりやすい」と言われるようになり、保護者から感謝されるようになっている。
あの遠い日、青春時代に描いた自分の夢が実現しつつあるのである。
 
初めてサークルの門をたたいて、
11年
になる。
模擬授業の回数は数えきれない。
技量検定は指導案と記録の残っているもので、
12回
学校での研究授業は
86回
になった。
(まだ、100回に達成していない、、)
 
先日の個人面談で、女子児童の母から
「保先生の授業がわかりやすい」
との言葉をいただいた。
最近になり、少しずつ
「授業」
が認めてもらえるようになった。
 
まだまだ、
「理想のプロ教師」
にはなれていない。
ただ、サークルの門を叩いた
11年前、
または、昨年の自分よりも
「理想のプロ教師」
に近づいているはずである。
 
PS 「なぜ、週末もサークルに行くの?」
「なぜ、自費でセミナーに参加するの?」
なんて言葉を職場で言われる。
週末のゴルフを楽しむのもいい。
また、他の趣味を楽しむのもいい。
でも、週末に
サークル
セミナー
で学ぶことで、週明けに
「やりたいこと」
が生まれる。
だから、月曜日が
待ち遠しいのである。
 
週末、「学び」を得ることで、
月曜日から金曜日まで
1日9時間×5日分
「45時間」
仕事での充実を得ることができる。
だからこそ、学ぶのである。
意識していないが、
いつの間にかそれが
習慣
になる。
 
さらにPS
いきなり、そんなことは
「できない」
私は10年を要した。
それでも、一つ言えるのは
「今の仕事が充実している」
ことである。
確かに生徒指導上のトラブルは起きる。
男女のトラブルも、、、
でも、
「仕事が充実している」
と言い切れる。
そんな学びを
多くの先生方と共有したいのだが、、、
 
・・・・・・・・・・・
教師の充実感は
「余暇」
では得られない。
「授業」の中で
「教室での実践」
で得られる。
 学び続ける教師だけが
価値ある教師になれる。
 
そう信じて、、、
 
セミナー案内は以下。

 

 

-稲嶺保-

  

 

「サッカーのドリブルができない子」

「縄跳びができない子」

など、具体的な場面をもとに、

「どう指導したらいいのか?」

「なぜ、できないのか?」

を写真やイラストをもとにわかりやすくまとめています。

また、特別支援のスペシャリスト

小野隆行先生も「感覚統合」の面から、運動の苦手さについて書かれています。

私も今回、体育の根本正雄先生から依頼で、2ページですが、執筆させていただきました。

Amazonでも、注文可能です。

私の手元にもあります。

よければ、お読みください。

 


稲嶺保

沖縄県公立小学校教諭  6年生担任 TOSS″必然"代表

「充実感を得るために学ぶ」ことを実践するため、授業の腕を上げる修行を続ける。同志社大学卒。明星大学通信教育にて小学校教諭免許取得。編著『ライフスキル よい生活習慣づくりのすべて』『私たちの授業でオリンピック選手を目指そう!体育訓練』(以上明治図書) 『「算数」授業の新法則 6年生』(学芸みらい社)