「子どもの発言の質」を高める指導技術

 

From:太田輝昭

 

自宅の書斎より、、、、、

 

この連休、本棚を整理している。

といっても、本がたくさんありすぎて、

本を探すが見つからない状態。

 

ふと、ある雑誌を手にとった。

 

2008年1-2月「向山型国語教え方教室」明治図書出版

この雑誌は、現在、廃刊になっている。

 

 

新学習指導要領では、

「主体的・対話的で深い学び」が求められている。

11年前の雑誌だが、「学び」は大きい。

 

伴一孝氏の論文である。

少し引用する。

 

*********

要は「文章指導」である。

 

「指名なし発表」までは出来ても、「指名なし討論」

が出来ないクラスが多い。「どうすればよいか」と、

しばしば尋ねられる。

子どもの発言が、かみ合わないのだと言う。

 

1 「文章の書き方」を教えよ

 子どもは、「(ノートに)書いてない事は発表

出来ない」、向山洋一氏の有名な言葉である。

この言葉の重みを、深く突っ込んで考えてみよう。

 

発問をして、子どもに意見を書かせる。

これは、向山型国語を学んだ教師ならば、誰でもやって

いるだろう。そして、それを「先生は当てませんから、

自由に発表しなさい」と言って、読み上げさせれば、

それだけで「指名なし発表」が出来てしまう。

 

ある意味で簡単である。問題は、この先なのだ。

「指名なし発表」が途切れた段階で、教師が”切り口”

を示す。「〇〇君の意見について、賛成か反対かで討論

をしなさい」「□□と言っている人たちと、△△だと言う

人たちがいます。どちらの意見に賛成ですか、討論をしな

さい」このように、子どもたち一人ひとりの立場が明確

になるように、「二者択一」の発問をするわけである。

 

高段者が教えたクラスならば、これでずっと討論が続く。

しかし、並のクラスならば、元気の良い何名かが発言を

して終わり、討論は短時間で終了し、後は誰も発言出来

ない重苦しい時間が続く。誰もが経験する状態だ。

 

ある意味で、これは”正常”なのだ。ここでくじけてはいけ

ない。教師の仕事は、「なぜこうなったのか」を深く掘り

下げる事だ。向山氏の言葉を、もう一度じっくりと読み

直してみよう。

 

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子どもは、書いていない事は発表出来ない。

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”切り口”を与えた段階で、ちゃんと子どもたちに「意見

を書く」時間を与えただろうか。子どもたちのノートに

最初の「意見」が書いてあるだけの状態で、新しい”切り口”

についての意見を求めても、かなり苦しい展開になる。

 

だから、まずはここでも「〇〇君の意見に賛成(あるいは

反対)」「□□に賛成」と、立場を確定させて、その理由

をノートに書かせなければならないのである。これを怠って

いるのが、失敗の第一段階である。

 

 次に、意見を書かせても、やっぱり子どもの意見がかみ

合わない場合がある。賛成の子も、反対の子も、自分の

「意見」を読んだ(発表した)だけで終わってしまうのだ。

これが、一番多い”挫折”のパターンだろう。

 

だが、ここでも突っ込んで考えてみよう。向山氏の言葉に

還るのである。「子どもは、書いていない事は発表出来な

い」分かるだろうか。子どもの意見がかみ合わないのは、

子どもがかみ合うような意見を書かない(書けない)から

なのだ。

 

つまり、自分(教師)が「賛成(肯定)の意見文」だけを

指導し、「反対(否定)」の意見文」を指導していないの

である。向山学級の討論の授業記録や評論文を読み直して

みるべきだ。

 

子どもは、ちゃんんと「反対(否定)の意見」を書いて、

発言している。これは、向山氏がそのような文章の書き方

を指導したという事なのだ。私たちが、そこまで向山氏の

実践記録を読み取る事が、大切なのである。

 

(以下 略)

 

**************

 

「発問」をすれば、「しっかりノートに書かせる」というのが基本。

「書いてなければ、発表できない」。

 

「反対(否定)の意見」も指導すべき』

これはやっていない!と学んだ。

 

子どもたちは、一つのテーマについて、

根拠をもとに「意見」のやりとり(「対話」)をして、

「深く」学んでいく。

 

「こんな視点、見方、考え方もあるのか」と、、、、。

 

これが、新学習指導要領で求められていることになる。

 

「授業改善」については、何十年前にも言われてきた。

現場はなかなか変わらない。

 

文科省はすべてお見通しだ。

法的拘束力の段階で「授業改善」を求めてきている。

待ったなし!である。

 

共に学んで行こう!

教師間の「対話」をしていけば

身に付いていく。

 

サークルに足を運ぼう!




ーおおた てるあき

 

 

P.S.

向山洋一氏の書籍は、300冊くらいになる。

歴史上、これほど多くの教育書を出した人物はいない。

 

「理論書」ではなく、「実践書」である。

膨大な「実践群」が存在する。

 

実践の中からの数多くの主張がされている。

 

 

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太田輝昭

沖縄県立公立高等学校 保健体育科教諭 TOSS沖縄代表 

「知的な学びは楽しいもの」のモットーのもと、授業の腕を上げるために日々、研鑽している。TOSS授業技量検定四段。剣道教士七段。琉球古典音楽野村流音楽協会新人賞。京都教育大卒。琉球大学院教育学研究科教育専攻保健体育専修卒。琉球大学医学部保健学科博士後期課程在学中。単著『「平泳ぎ」「クロール」で25m泳げる10のステップ』(明治

                図書出版)編著『高校生が夢中になる知的な授業』(明治図書出版)、共著『沖縄から平和学習へのメッセージ』他多数 

                H25文部科学省委託事業「教員の資質能力向上に係る先導的取り組み支援授業」受託。




  

 


 

  

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