発言できる・できない学級の差

From:稲嶺保

 

 

月曜日の朝。
子供たちは疲れている。
そこで、
「金・土・日で楽しかったこと。
 一文で発表します。」
隠れ指示として
「指名なしで」
はもう入力済みである。
 
「3秒間が空くと終了」
も入力済みなので、どんどん発表する。
 
ただ、これだけだと全員発表は難しい。
1か月以上が過ぎ、
「全員声を出すことができる」
ことがわかっているので、
次の指示を出す。
 
「発表出来なかった子は、
 日記3ページ分ぐらい
 書いてもらおうかな?」
 
すると、
発表がどんどん続く。
ポイントは
「書いてもらおうかな?」
である。
「書いてもらう。」
ではない。
時々、
何かしらの理由で発表出来ない子もいる。
そのための逃げ道である。
楽しい雰囲気づくりである。
指導の場ではない。
 
この指示だけを真似しても
上手くいかない。
私も昔、「大火傷」したことがある。
そこにいたるまでの
「過程」が必要になる。
 
「発言させる」ことを
どの教科でも行っている。
社会科が一番多いが、
国語、道徳、算数、家庭科、
様々な教科で
「(一人で)発現させる場面」
を作り出している。
 
もちろん、学級スタート時は
上手くいかない。
今でも、よく発言する子は、
学級の3割(8人程度)である。
 
それでも、学級に
「発言するのが当たり前」
の空気を作り出さなければならない。
 
そのためにスタート時から
取り組んでいるのが
「列指名」
である。
列で順番ごとに発表していく。
例えば、家庭科では、
毎回、列指名からスタートする。
①昨日、何時に寝ましたか?
 〇〇さんから列指名で。
それで始まっていく。
「9時です。」
「10時です。」
などが続く。
 
②今朝、何を食べましたか?
 
誰でも答えられる質問を与え、
発言させていく。
発表することが当たり前にするためである。
ある先生は、このことを
「発言耐性」
と呼んでいる。
 
算数や国語の授業でも同じである。
「挙手指名」ももちろんするが、
基本は、「列指名」である。
順序良く聞いていく。
もちろん、分からない子もいる。
その時も教えておく。
「わかりません。」と言いなさい。
 
すると、
「わかりません。」
が数人続くことがある。
それでも、「よい」のである。
「発言耐性」である。
そこから、
「では、わかる人?」
と挙手指名すればよいのである。
 
このようなことを繰り返して、
「発言耐性」を持った学級ができあがる。
 
「発表が少ない」
「発言しない」
という教師の話をよく聞く。
高学年、低学年でもちがいはあるが、
やはり、教師の指導に左右される。
 

PS

発言できる学級

発言できない学級

のちがいの基準は何か?

 

まず、実際に

「発言できる学級」

を見たことがあるかどうかである。

 

自分の中に基準がなければ、

目指すべき学級の姿が見えない。

見えないものは、

実現させることは不可能である。

 

だからこそ、学ぶのである。

12年前に山口県を訪れ、

学級参観をさせていただいた学級を

今でも覚えている。

そこが、目指すべき学級である。

頂きを見ることで

自分に必要なものを求めて動く。

しかし、まだまだ遠い、、、

 

ー稲嶺保ー

 

「サッカーのドリブルができない子」

「縄跳びができない子」

など、具体的な場面をもとに、

「どう指導したらいいのか?」

「なぜ、できないのか?」

を写真やイラストをもとにわかりやすくまとめています。

また、特別支援のスペシャリスト

小野隆行先生も「感覚統合」の面から、運動の苦手さについて書かれています。

私も今回、体育の根本正雄先生から依頼で、2ページですが、執筆させていただきました。

Amazonでも、注文可能です。

私の手元にもあります。

よければ、お読みください。

 


稲嶺保

沖縄県公立小学校教諭  6年生担任 TOSS″必然"代表

「充実感を得るために学ぶ」ことを実践するため、授業の腕を上げる修行を続ける。同志社大学卒。明星大学通信教育にて小学校教諭免許取得。編著『ライフスキル よい生活習慣づくりのすべて』『私たちの授業でオリンピック選手を目指そう!体育訓練』(以上明治図書) 『「算数」授業の新法則 6年生』(学芸みらい社)

 

 

 

 

 

 

 

 

  

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