From:太田輝昭
自宅の書斎から、、、
勤務校で、「授業研究会」という自主研究をしている、、
20名ほどのメンバーが参加している。
(職員は100名ほどいる)
公開授業を参観し、お互いに指摘しあう。
参観される先生も、多少の緊張感がある。
(普段、授業を見ないのを見せるから、、、)
2週間ほどまえ、「通信数学」の授業を参観した。
授業者も、「公開授業」だからある程度は準備している、、、
教材ネタはとてもよいものだった。
簡単に授業を述べると「2進法」の勉強。
将来、通信士になる?生徒への授業。
授業冒頭、
「数あてマジックカード」を生徒へ配布する。
マジックのゲームである。
これだけでも興味をひく授業だった、、、、
Aグループには、12個の数字。
同じくBグループにも12個の数字。
C,D,E、、、とグループがある。
それぞれ、12個の数字。
1~31までの数字が書かれてある。
一人の生徒が、1~31のまでのうち、好きな数字を頭に描く。
誰にも言わない。
描いた数字が、どのグループに入っているか教師が聞いていく、、
A・・入っていない。
B・・入っている。
C・・入っている。
D・・入っていない。
E・・入っている。
その数字は、22でしょ。
へ~。当たっている?・・と生徒は驚く。
周りの生徒も驚く、、、
なぜ?
もう一回、同じようにする。
当たる。
なぜ?
???
とてもいい。
生徒が興味を引いている。
次に1g、2g、4g、8g、16gの分銅の絵を用いて、
1g、2g、3・・・・・31gを量るにはどの分銅を用いていくかをプリントに書かせる。
用いるときは○、用いないときは×。
教師は例示をして、説明するが、生徒は少しついてこれない、、、
教師の一方的な説明だから生徒は意味が分からなくなる、、、
黒板に、生徒と同じプリントにして、教師が例示したり、生徒一人を指名して例示をさせて、続きをさせればよかった。
「確認」が必要だった。
「確認」がとばされた。
何名かは分かっているが、7割くらいの生徒は分かっていない様子。
1g~31gまで、どの重りの分銅を使うのかの〇×を埋めていく。
数分、作業をしながら、数名の生徒が気づいていく。
ああそうか、このようにやるんだな!と、、、
だが、何名かはボーとしている。
生徒がボーとしているので、黒板に一人一人ださせて、○×を書かせていけばよかった。
黒板に書かれているものを見れば、何名かは分かっていく。
これも「確認」。
そのことがなかったので、分からない子がスルーされていく、、、
3分の2くらいの生徒は授業から脱落していく、、、授業についてこれない、、、
ここで、授業者は、なんとなく流して、次の課題に進んだ。生徒は?????となっている。
あとの授業もいいネタであったが、、、、、、、、推してはかるべし、、、
??????が続く。
10進法から、2進法の変換。
2進法から10進法の変換。
最後まで出来る生徒は、ほとんどいなかったと思う。(途中で退席した)
授業には「確認の原則」というものがある。
************
指導の途中で何度か達成率を確認せよ。
************
という原則である。
教師は、「これだけ説明したのになぜ、分からないんだ!!!」
「これだけ説明したから、絶対分かっているはず!!と思っていたら、、、、
テストしたら全く分かっていなかった、、、」
となる。
よく見かける。
生徒がどこまでできて、どこまでできていないのか、何でつまずいているのかを授業の所々で確認をしないといけない。
教師が見てとらないといけない。
できていない生徒を瞬時に対策をする必要がある。
それをとばすと、以後、授業についてこれなくなる、、、。
例えば、
教師が指示を与えて、「できたら、先生に見せに来なさい」と言って、ノートを教壇までもってこさせて確認をする。
できているかどうか、隣通しで確認させる。
正答を黒板に書かせて、分からない生徒に「写してもいいですよ」といって、書かせる。
そのようなことを授業場面でやらないと生徒は、?????のまま授業が進んでいく、、、
????のまま進むとその後の授業は全く分からないままに、、、、なっていく。
そして、「授業、つまんない!」、、、となっていく。
教師が確認しているか、していないか、たった一つの場面でも教師の力量が見てとれる、、、。
力量ある教師は「確認」を授業に入れている。
力量のある先生に見てもらわないと授業上達はない。
「これで大丈夫だろう」という教師の慢心さが所々の授業のスキを作っている、、、、。
結果、生徒が脱落していく、、、、。
ー太田輝昭
P.S.
11月20日(日)授業技量検定セミナーがある。
私も模擬授業者として前に立つ。
県外から3名の講師を招いている。
指摘されて授業の技量が上がっていく、、、、
自分の弱さをさらけ出し、慢心さと闘う。オープンにすることで技量は上がる、、、
隠れていては、技量は上がらない、、、、、
太田輝昭
沖縄県立公立高等学校 保健体育科教諭 TOSS沖縄代表
「知的な学びは楽しいもの」のモットーのもと、授業の腕を上げるために日々、研鑽している。TOSS授業技量検定三段。剣道教士七段。琉球古典音楽野村流音楽協会新人賞。京都教育大卒。琉球大学院教育学研究科教育専攻保健体育専修卒。琉球大学医学部保健学科博士後期課程在学中。単著『「平泳ぎ」「クロール」で25m泳げる10のステップ』(明治図書出版)編著『高校生が夢中になる知的な授業』(明治図書出版)、共著『沖縄から平和学習へのメッセージ』他多数 H25文部科学省委託事業「教員の資質能力向上に係る先導的取り組み支援授業」受託。