国語 俳句のコードを入力する「古池や蛙飛びこむ水の音」

From:稲嶺保

 

 

 

国語の授業。
「古池や蛙飛びこむ水の音  松尾芭蕉」
指示「この俳句を分析しなさい。」
授業の中で残り30分程の時間で行った。
子どもの分析。
(A子)

①季語→蛙 かえるは、春の生き物だから。

②季節→春

③強調→蛙飛びこむ 帰るがとびこんで、初めて水の音がなるから。

④話者はどこ??どうくつの入り口の所にいて、かえるが古池にとびこむ音がどうくつに響くと思うからです。

⑤話者から、古池は見えている。なぜなら、蛙がとびこむしゅんかんを、水の音と書いているから。もし見えていると思わない理由は、古池も蛙もなき声や音で分かるから。話者から古池は見えていない。
 
(B男)

 季語は水の音だと思います。なぜなら、春から夏にかけて水の音は、きもちよくきこえるからです。

 季節は、春だと思います。なぜなら、ぶんしょうに、蛙と書かれていて、蛙は、カエルのいみでカエルは、春によくともだちの家のちかくの川でみかけるから。

 強調は、古池やだと思います。なぜなら、切れ字に「や」や「なり」、「けり」があって、文章に古池やと書いているからです。

 話者は、木の下にいるとも思います。なぜなら、ぼくは、きせつは、春だと思っていて、びみょうにあついので木の下でやすんでいると思うからです。

 話者から古池は見えると思います。

 なぜなら、古池がみえていないと、蛙がとびはねたのか、古池の魚がはねたかもしれないからです。
 
恐らく、このような文章を書くことは難しいはずである。
児童に俳句を分析するコードが入っているから書けるのである。
 
以下は学級通信より引用。(TWO-WAY363号より)
「古池や蛙飛びこむ水の音  松尾芭蕉」
 今回も読みから入ります。隆斗さんから4名に読ませました。
 音読後、確認します。
「次に先生が何を聞くと思いますか。」
「季語」
「そうそう、次に~」
というやりとりで黒板に以下の内容が出されました。
・季語
・季節
・強調
・絵
・話者の位置
 これらをもとにこの詩を分析します。これだけでは、広がりがないので、発問を一つ。
「話者から古池は見えていますか。」
 これらをもとにまとめていきました。
 また、後半に早く終わった児童の分析を深めるためにもう一つ発問を出しました。
「蛙は何匹ですか。」
 この後、自分たちで上記の俳句を分析しました。
 
俳句について、授業で扱っている。
それ以前に3編の俳句を扱っている。
そこでの発問が上記の内容である。
何度も繰り返すことで、児童の中に俳句を分析するコードをつくりだしていく。
次のような分析もあった。
(C男)
 強調しているのは、水の音だと思う。なぜなら、蛙が飛びこまなければ水の音が聞けなくなるから。

「話者から古池は見えないと思う」

 なぜなら、古池にいるのは蛙で蛙だけ古池に飛びこんでいるから。

 季節は「春」だと思う。蛙という言葉があるから。

 話者はどこにいるか。

 話者のいる所は、家の中だと思う。なぜなら、池には、蛙しかいなくて、話者は家の中で蛙が池で飛んできこえる水の音をきいていると思ったからです。

 季語は蛙だと思う。なぜなら、蛙が春が活発に動いているから。

 
(D子)
 季語は蛙だと思います。

 季節は春だと思います。

 なぜなら、蛙は、春に出てくるからです。

 話者は、人だと思います。なぜなら、古池に蛙が飛びこむ様子を見て、人がこの水の音は、蛙が飛んだ音だなぁ~と感じてそうだからです。

<絵について>

 話者は家の窓から耳をすませていて、かえる一匹が、パシャンポチャンと跳んで、何のけいかいもなく、楽しく、古い屋しきの古池で遊んでいる様子を想像して書きました。
PS 予定では、各自の分析だけで終える予定であった。
しかし、予定変更。
変更になったのは、ある女子の分析がきっかけだった。

 季語は、蛙と思います。

 季節は、春だと思います。なぜなら辞典に春と書いていたからです。
 強調している言葉は、「水の音」です。蛙が飛びこむ水の音を強調しているんだと思います。
絵はこんな感じです。(省略)

話者は家にいて、かえるが池にとびこむ様子を書きました。かえるが池にとびこむ時の音も書きました。

 話者は、家にいると思います。まわりはとても静かでかえるの音もきこえるほど静かないっけん家です。

 話者から古池は見えるがその時は目をつぶっているので見えていないと思います。話者は家の窓から目をつぶって外をながめているとちゅうにかえるがとびこんで、その水の音を聞いたと思います。
 
「その時は目をつぶっているので見えていないと思います
 
見落としてしまいそうでした。
この児童は、俳句の中の一瞬を読み取ろうとしていました。
もちろん、授業しました。
発問は
「話者から古池は見えていますか。」
討論を行い、最後にこの児童の意見を紹介しました。

 

 

-稲嶺保-

  

 

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(担当:稲嶺保)


稲嶺保

沖縄県公立小学校教諭  6年生担任 TOSS″必然"代表

「充実感を得るために学ぶ」ことを実践するため、授業の腕を上げる修行を続ける。同志社大学卒。明星大学通信教育にて小学校教諭免許取得。編著『ライフスキル よい生活習慣づくりのすべて』『私たちの授業でオリンピック選手を目指そう!体育訓練』(以上明治図書) 『「算数」授業の新法則 6年生』(学芸みらい社)

 

 

 

 

 

 

 

 

  

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