From:太田輝昭
子どもがサクサクと動く一つの原則に、「所時物の原則」がある。
子どもにとって、「どこの場所」で作業するのか。
「どの時間」にするのか。
「物」は何を使うのか。
逆に、「所時物」が子どもにとって明確でないと、動くことができない。
集団を一斉に動かすには、教師があらかじめ「所」「時」「物」を準備する必要がある。
「段取り」といってもよい。
実践を紹介する。
4年前、やんちゃ君が多いクラスを担当した。
ある先生から、
「太田先生のクラスは、大変な子が多いのに、ワックスかけが早く終わったね~。すごいね。」
と言われた。
もちろん、「所時物の原則」を使ったからである。
勤務校では、1年に1回、教室の大掃除とワックスかけがある。
1日かけてする。
1週間くらい前に、40名弱の子どもを動かすために、作業の流れをノートに記載した。
机を廊下に出す(全員で。自分の分を。休んだ生徒のものは近くの人)→教壇の板、教卓を出す(3名)→掃き掃除(ほうきで3人)→床磨き(8人)、窓拭き(8人)、廊下(1名)、ベランダ(2名)
フィッシャー作業(やりたい人)。
水まき→水きり→水をとる雑巾かけ
ワックスかけ(やりたい人)
机、教壇を教室へ(全員で)
物の準備の想定。
ほうきは何人?ほうきの数は何本?ちりとりはあるのか。雑巾は何枚必要か、窓をふくために、新聞紙か、雑巾か、どれくらい必要か。汚れを落とすために、スカッチブライトは何枚必要か。
清掃担当場所は、何人必要か。
仕事分担を「できるだけ平等な労力」になるように人数を配置する。
ほうきの本数、ちりとりがなければ補充。
雑巾、10枚ほど。
新聞紙、ざっくり。
スカッチブライト20枚ほど。
ガム取り3本。
バケツ2個。
作業の流れを書くことは、時間を設定するため。
どの時間に子どもは何をするのか。
作業当日
SHRで作業手順を黒板に書く。→を使って。
作業人数を書き、( )を書いていく。
( )は担当者の名前を入れるためである。
視覚的にも「誰が何をするのかを明確にし、子どもの頭に入れる」ためである。
何の作業をしたいのか、名前を書かせる。
希望者が多い所は、じゃんけんで決めさせる。
誰が何を担当し、物は何を使うのか、作業の時間を決めて、動かした。
ー太田輝昭
P.S.
あと1週間で、ライセンスセミナーがある。
本を読み込み、土日に授業資料を集めた。
今、授業の組立をやっている、、、、
勉強すると自分の実力となってくる、、、、
授業作りをしならがそう思う。
やり抜く。
結果はどうであれ、、、、
太田輝昭
沖縄県立公立高等学校 保健体育科教諭 TOSS沖縄代表
「知的な学びは楽しいもの」のモットーのもと、授業の腕を上げるために日々、研鑽している。TOSS授業技量検定三段。剣道教士七段。琉球古典音楽野村流音楽協会新人賞。京都教育大卒。琉球大学院教育学研究科教育専攻保健体育専修卒。琉球大学医学部保健学科博士後期課程在学中。単著『「平泳ぎ」「クロール」で25m泳げる10のステップ』(明治図書出版)編著『高校生が夢中になる知的な授業』(明治図書出版)、共著『沖縄から平和学習へのメッセージ』他多数 H25文部科学省委託事業「教員の資質能力向上に係る先導的取り組み支援授業」受託。