From:太田輝昭
自宅の書斎より、、、
勤務校で授業研究クラブに参加している。
先日、研究会があった。
6名くらいの先生に、私は次を問うた。
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授業の目的は、そもそも何でしょうか。
隣の先生とシェアしてください。
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シェアしてもらったことを発表してもらった。
先生方によって、考え方は違う。
ある先生は、
「○○の知識を与えること」
「生きる力をつけること」
「できるようにすること」などなど、、、があがった。
どれも間違いではない。
私は次のように言った。
①できないのができるようになること。(基礎学力をつけること)
②「勉強って楽しい。学ぶって楽しい」と思わせること。
研究会では、授業システムの話をしたわけだが、今回は、
「わきお」の法則について書く。
学力を付けることにおいて、
学力の定義はいろいろある。
その一つに、例えば、
PISA型で「情報の読み取りができるようになること」
「まとめられること」
「自分の意見をまとめ、分かりやすく伝えること」などがある。
保健の「家族計画」の授業の場面、
次の資料を印刷して配布する。
この資料を提示して、教師が説明するのではない。
教師が説明しても生徒には力がつかない。
発問して、生徒に答えさせるのである。
発問1 タイトルは何ですか。
発問2 出典はどこですか。
発問3 横軸の単位は何ですか。
発問4 縦軸の単位は何ですか。
発問1~3までは簡単。
テンポよく授業を進める。
発問4 少し解説がいる。
1000人あたりの中絶件数です。
次の指示を出す。
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指示2 この資料を見て、
「分かったこと、気づいたこと、思ったこと」をノートに書きなさい。
時間は、1分です。
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そうなんです。
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PISA型でいう、「資料の読み取り」をさせたい
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教師が資料の説明をするよりも、生徒から、
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資料の読み取りを引き出す
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この方が力がつく。
また、授業も楽しくなる。
読み取ったものを生徒同士でシェアしていく。
生徒に発表させることで更に、「学習が強化」される。
口で述べる、手で書くことで力がついて行く。
そのための指示である。
「分かったこと、気づいたこと、思ったこと」
学級には、様々な生徒が存在する。
優秀な生徒、勉強が不得意な生徒、特別支援の生徒、、、
どんな生徒にも、意見を出させたい。
資料の読み取りで「分かる」ことはより高度なこと。
深い読み取りが必要。
次に「気づくこと」。
○年から、下がっている。
○年代が一番多い。
などなど、、、。
「思うこと」は生徒によって、「何を思ってもOK」だから、
答えに、不正解はない。
何を言ってもいいことになる。
「思うこと」を入れることで、勉強のできない生徒でも答えられる。
全員が何かしらの意見をいえる指示なのである。
全員が授業に参加できるように、教師は配慮する。
ほんの3秒くらいの指示であるが、言葉の一つ一つに深い意味があるのである。
資料の読み取りの指示
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「分かったこと」「気づいたこと」「思ったこと」
(「わきお」の法則)
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定番の指示である。
ーおおた てるあき
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太田輝昭
沖縄県立公立高等学校 保健体育科教諭 TOSS沖縄代表
「知的な学びは楽しいもの」のモットーのもと、授業の腕を上げるために日々、研鑽している。TOSS授業技量検定三段。剣道教士七段。琉球古典音楽野村流音楽協会新人賞。京都教育大卒。琉球大学院教育学研究科教育専攻保健体育専修卒。琉球大学医学部保健学科博士後期課程在学中。単著『「平泳ぎ」「クロール」で25m泳げる10のステップ』(明治
図書出版)編著『高校生が夢中になる知的な授業』(明治図書出版)、共著『沖縄から平和学習へのメッセージ』他多数
H25文部科学省委託事業「教員の資質能力向上に係る先導的取り組み支援授業」受託。