From:太田輝昭
北谷のホテル。
海を眺めながら、、、
ゴールデンウィークが終了した。
ゴールデンウィーク明けの生徒もそうだが、教師も「休みボケ?」になってしまう。
如何に日常の生活習慣にもどるかがポイント。
明けの数日は、生徒も遅刻が多くなるだろう。
(明けの数日が楽しみだ。私は1学年主任だから、1年生はどのようだろう、どのようになるだろう?と、動きが楽しみだ)
さて、さて、、、
頭がいい、優秀な山下君がいた。
山下君は、大学でやっと25m泳げたそうだ。
それまで、一度も25m泳いだことがなかったそうだ。
小中高とプールの授業があったが、いつも水に浸かる程度。
いつも「お腹が痛い」「風邪をひいている」「体調不良」と言って休んでいた。
25mというと、最低でも小学生でもクリアーしておきたい必達目標である。
達成せずに、大学まで来てしまった。
泳げないからと言って、人生が終わるわけではない。
また、他の得意分野があるからそれを伸ばせばいい!という考えもできる。
しかし、しかし、、、
プロ教師としては、、、
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できない生徒をできるようにさせたい。
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もちろん、スパルタではなく、、
生徒が喜んで、苦もなく、、、
「できなかったことができるようになる」ということは、
本人の
「セルフエスティーム」が高まる。
このセルフエスティームは他教科にも波及効果が大きい。
生徒の生き方にも影響を及ぼす。
一般社会の成功者と呼ばれる人は、ほぼすべて、この「セルフエスティームが高い」といわれている。
一度の成功体験は、
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失敗を恐れない子
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を生み出す。
北山君の話をする。
北山君は、高校2年になるまで、プールに入ったことは、たったの3回であった。
中学ではプールがなく、小学校では、耳の病気のため入れなかった、、、、
高校に入学後、プールに入ることに抵抗があった、、、
「大丈夫だよ」
となだめ、プールに入ることを勧めた。
北山君、しぶしぶ入ることとなった。
「すごいね。えらいよ」とほめた。
ここから25m完泳に向けてのチャレンジが始まった。
学習カードには、毎時間、こんな感想を書いてきた。
・「息継ぎがまだむずかしい。もっと頑張りたい」
・「目指すぜ25m」
・「25mできると言われてうれしい」
・「バタ足をうまくやりたい」
・「やはりできない」
・「面白い。次も頑張る」
・「記録14m」
・「記録19mくらい」
北山君、一喜一憂、懸命さがうかがえる。
「北山君の想いに応えたい」そんな気持ちだった、、、
水泳の授業16時間目。最後の授業。
この日も泳いでは立ち止まり、休憩して、また泳ぐ、、、、。
この繰り返しだった。
もう少しのところで、止まってしまう。
私は、「もうだめか」と半分あきらめてしまっていた。
授業終了1分前だった。
「では、こでれ最後にしょうね」と北山君に言葉をかけた。
最後も、同じように17m付近で止まるかな?と思った。
すると、懸命に泳いでいる。必死である。
「もう少しだ。もう少しだ」
私の手に力が入った。
25mの壁にタッチした。
「泳げたー・・」
「やっとできたー」
北山君、ガッツポーズをしている。
「よかったね」
感動して、涙が出そうだった、、、、
授業後、北山君がこんな感想を書いた。
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クロールに挑戦。
初の25mへ向けての特訓。
めっちゃきつい。
でも、25m泳いだあと、すっげーうれしかった。
自分の中のコンプレックスが一つ消えた気分。
3年になったら選択になるから、そこでまたできたら頑張りたい。
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教師冥利に尽きる。
さて、あなたはプロ教師として、泳げない子をどのように泳がせる?
泳がせる「指導技術」を持っている?
先人が発見した「指導技術」がある、、、、。
学ぶことによって、「指導技術」を手に入れることができる、、、。
では、また、、、。
ーおおた てるあき
P.S.
特別支援教材
特別支援の学級にはおススメである。
https://okinawateachers.jimdo.com/教育技術/行動支援教材/
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太田輝昭
沖縄県立公立高等学校 保健体育科教諭 TOSS沖縄代表
「知的な学びは楽しいもの」のモットーのもと、授業の腕を上げるために日々、研鑽している。TOSS授業技量検定三段。剣道教士七段。琉球古典音楽野村流音楽協会新人賞。京都教育大卒。琉球大学院教育学研究科教育専攻保健体育専修卒。琉球大学医学部保健学科博士後期課程在学中。単著『「平泳ぎ」「クロール」で25m泳げる10のステップ』(明治
図書出版)編著『高校生が夢中になる知的な授業』(明治図書出版)、共著『沖縄から平和学習へのメッセージ』他多数
H25文部科学省委託事業「教員の資質能力向上に係る先導的取り組み支援授業」受託。