「分析批評」って何?

From:太田輝昭

  

 

国語の授業。

  

あなたは、次の詩をどう授業する?

  

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   春

           安西冬衛

  

てふてふが一匹韃靼海峡を渡って行った。

 

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ブログの下をスクロールせずに、ここで考えてみて!(時間をとって)

 

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教師は上の詩を黒板に板書して、、、

 

安西冬衛に「あんざい ふゆえ」と振り仮名を打つ。

 

さて、次はどうする?

 

そうですよね。ちょっと勉強している先生なら、この詩を繰り返し子どもに読ませる。

 

「この列起立。前から読みます」とか、させる。

 

何列かする。

 

  

当然、読みができない漢字がある。

  

すぐ教師は教える?教えない?

 

ちょっと勉強している先生は、教えない。

 

子どもに「ナントカ、ナントカ」と読めない所を読ませる。

  

 

ジラス、、、。

 

子どもの知的興奮を高める、、、

 

「何て読む?・・・」

  

「てふてふ」も読めない。

 

 子どもから読みを引き出していく、、、。出るかどうか、、。

 

ジラシが最高潮に達した所で、教える。

 

「チョウチョウ」「ダッタンカイキョウ」

 

 

読み方が分かった所で、

 

「5回読んだら、座ります。全員起立!」。

 

読みを全員にさせる。これで何回か音読したことになる。

 

更に、希望者を読ませる。

 

ここまで授業の助走。子どもを授業に乗ってこさせる。引きずり込むイメージ。

 

 

「ダッタン海峡」って何?となる。

 

短く教える。

 

「陸と陸の間を海峡という。」

 

さあ、ここからどうする?

 

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教師の一方的な解釈を長々と説明するなら楽しくならない。

 

つまらない授業、、。

 

発問、指示が重要になる、、、。

 

子どもに何を問う?何を指示する?

 

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指示1 これを読んで、何か考えられることを、ノートに箇条書きに書きなさい。

 

子どもから、この詩についての考えを出させる。引き出す、、、。

 

(いろんな考えを認める.「へ~。そう。なるほど!」とか、)

 

更に、教師はノートをもって来させて、を付ける。

 

なぜ、持ってこさせる?

(書かせることで考えを確定させる。

子どもの意見を教師が把握する。子ども全員を授業に参加させる。)

 

ノートをすべてチェックする。

 

チェック後、子どもの考えたことを発表させる。出させる。

 

(発表の訓練。自分の意見をみんなの前で言える力を鍛える。究極に子どもに考えさせる)

 

この詩のポイント「渡って行った。」が議論となる。

 

「A君に賛成の人?反対の人?」、、

 

「隣と相談しなさい」と話し合わせる。

 

そして、発表させる。

 

(教師の解を言わない。ジラス、、)

 

十分、意見を言わせてから、更に、更に、更に、突っ込む。(究極に考えさせる)

 

 

 

指示2 今の解釈を「絵」にして、話者を「目玉」で書きなさい。

 

書いた絵を持ってこさせる。

 

早い子に黒板に書かせる。

 

こんな絵が出てくる。

 

   


 

 

 

絵を書いた子どもに「なぜ、この絵になったのか」発表させる。

  

 

指示3 この出た中で、一つだけ違うというのを選びなさい。ノートに書きなさい。

 

  「証拠」を詩の中から探しなさい。

 

そして、一つ一つつぶして「根拠」を言わせていく、、、。

 

 

 

 

 

 

この授業は「分析批評」の「視点」を使っている。

 

分析批評は、「文学教材」を「批評のものさし」で分析していく手法。

 

「作者の気持ちは何ですか?」という気持ちを問うものは、国語の感性のある子にしか分からない発問。

 

私は子どものとき、国語が嫌いだった。授業が分からないからである。

 

「分析批評」なら、国語は「面白い!」となる。

 

分析批評のものさしは「色彩イメージ」「主役・対役」「視点」「人物関係」「作品の構成・キーワード」「題材・モチーフ」などがある。

 

 

 

あなたはいくつ知っている?

 

このものさしを使って授業したことある?

 

 

「分析批評」は知的で面白い。

 

頭が汗をかく。

 

ベストの授業はない。ベターはある。

 

この授業に関して、更によい授業があれば、太田まで連絡ください。ブログにて公表する。そして、議論する、、、。そうすると授業が深まっていく、、、。

 

  

 

 

ー太田輝昭

 

 

 

P.S.

分析批評のよい本は、『「分析批評」で授業を変える』がおススメ。

 

 

 

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太田輝昭

沖縄県立公立高等学校 保健体育科教諭 TOSS沖縄代表 

「知的な学びは楽しいもの」のモットーのもと、授業の腕を上げるために日々、研鑽している。TOSS授業技量検定三段。剣道教士七段。琉球古典音楽野村流音楽協会新人賞。京都教育大卒。琉球大学院教育学研究科教育専攻保健体育専修卒。琉球大学医学部保健学科博士後期課程在学中。単著『「平泳ぎ」「クロール」で25m泳げる10のステップ』(明治

                図書出版)編著『高校生が夢中になる知的な授業』(明治図書出版)、共著『沖縄から平和学習へのメッセージ』他多数 

                H25文部科学省委託事業「教員の資質能力向上に係る先導的取り組み支援授業」受託。

 

  

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